鳥取大学医学部 生体制御学 浦上研究室

研究内容

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神経セロイドリポフスチン症の病態解析(高村)

ライソゾーム病である神経セロイドリポフスチン症(NCL)は、神経細胞をはじめ、全身の細胞内へのリポフスチン(老化色素)の蓄積を特徴とする、常染色体劣性遺伝病です。ライソゾーム酵素であるPPT1(palmitoyl-protein thioesterase 1)遺伝子変異により発症するⅠ型は、NCL の中でも発症頻度が高く、神経細胞変性や脳の萎縮が生じます。記憶障害・知的障害・視力障害・てんかん・運動障害など、臨床経過は多様性に富んでおり、現在のところ、発症機序は不明であり治療法は確立されておりません。種々の遺伝子変異を発現する細胞を構築し、PPT1の機能異常と、タンパク質分解系の破綻を結びつける病態解明を目指し解析を行っております。

アルツハイマー型認知症の早期診断バイオマーカーの開発(高村)

アルツハイマー型認知症(AD)が発見され100年以上経ちましたが、残念ながら完全な発症機構の解明には至っていません。根本的認知症治療法が確立されていない現在では、AD進行を遅らせる治療をできる限り早期から開始することが重要です。ADの生化学的検査は、脳脊髄液(CSF)のAβ、総タウ、リン酸化タウの測定です。現在のELISA法の感度・特異度は、早期診断には十分ではありません。そこで、特に神経毒性が強い構造を持つAβのみを特異的に検出する感度の高いELISA法を確立し、CSFの測定を行っております。また、より侵襲性が低い検体を用いた測定系の確立も目指しております。

嗅覚検査

アルツハイマー型認知症(AD)では、もの忘れに先行して嗅覚障害が生じることがわかってきています。これはADの初期から嗅覚関連領域に老人斑や神経原線維変化が出現することに起因すると考えられていますが、ADの嗅覚異常を検出するための有用な検査法は開発されていません。そこで、ADの嗅覚異常の病態解析や検査法の開発を目指して研究を行っています。

アロマセラピー

嗅覚検査の項で記載したように、アルツハイマー型認知症(AD)ではにおいがわからなくなります。そこで、アロマオイルの香りで嗅神経を刺激することで、その刺激が隣接する海馬に伝達され、活性化する作用があると考えています。以前に行った研究では、ローズマリーカンファーとレモンのブレンドの精油(昼用)と、真正ラベンダーとスイートオレンジのブレンドの精油(夜用)を、昼と夜に使用することで、認知機能の改善効果があることを実証しました。現在は、認知症予防へのアロマセラピーのさらなる可能性について研究を行っています。

超音波診断装置を用いた脳血流評価

アルツハイマー型認知症(AD)では、脳血流SPECTで後部帯状回、楔前部、側頭葉、頭頂葉などの血流が低下することが知られています。近年、医療機器の進歩により、脳内の血流を超音波診断装置で測定できるようになってきており、超音波診断装置を用いた脳血流評価法のAD診療への有用性を研究しています。

脳波解析

アルツハイマー型認知症(AD)では、神経細胞の障害により脳波の徐波化を認めると一般的に考えられていますが、視覚的な判断では鑑別が困難なことが多いです。そこで、脳波を解析して数値化することで、微細な変化を捉えることができ、検査の標準化も行えるので、AD診療に役立つと考えています。現在、脳波解析の診断ツールとしての有用性や病態との関連性について研究を進めています。

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